FIDELIX
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 PCオーディオ用に最適な電源が出来ました。
 フィデリックスでは6Wクラスと12Wクラスのオーディオ用ACアダプター(3.3V〜24V)が好評販売中です。この心臓部は当社にて開発した3端子レギュレーターで、その特徴は、0.6μVという驚異的なノイズの少なさと、リンギングやオーバーシュートの無い素直な過度応答です。低ノイズとして評判のTPS7A4700と比べてもまだ9.5dB低い値です。これらのアダプターの評判は予想を遥かに上回り、注文殺到中で、他の事には手が回せない程になっております。
 このようなことがきっかけで、PCオーディオに熱心なOLIOSPEC様などからの色んなバリエーションへの強い要望も相次ぎ、NAS用の18Wクラスとか、12Vと5Vの2出力電源とか、±15V電源とか、その他で電圧範囲が3.3Vから32Vまでといったように、多くの実施例が集まってきました。そして、とうとうノートPC用に使える容量のラインアップまでを用意することになりました。これは実質的に16インチ以下のノートPCに適合するもので、ATXサイズの形状になっています(下写真の左上)。ちなみにfoober2000からのHiface経由をCAPRICEでヘッドフォン再生しているところです。

 さて、電源ノイズは少ない方が良いのは当然ですが、電源ノイズといっても直流出力側へのノイズと、交流ライン側に出すノイズの2種類があります。下の写真は直流出力側のノイズ波形です。左はDynabook Qosmio T550に付属のACアダプターで2A負荷時のノイズ波形です。右は今回の電源ですが、スイッチング方式ではありませんので当然ながらスイッチングノイズは有りません。オーディオの人たちは、電源ノイズといえば真っ先にこの直流出力側へのノイズを思い浮かべると思いますが、これはオシロスコープで簡単に計れます。

 一方、交流ライン側に出すノイズも音質には大いに影響が有ります。例えば、プリンターのような機器は、出力側に大きなノイズやリップルがあったとしても、きれいに印刷さえできれば問題ありません。しかし、交流ライン側に出すノイズは、他の機器に影響を与えますので、CISPR規格で厳しく制限されております。実はこちらも音質に大きく影響を与えます。
 下の写真はCISPR規格相当の条件で測定したもので、左はやはりDynabook Qosmio T550に付属のACアダプターで2A負荷時のノイズ分布です。右は今回の電源ですが、実は電源を接続しない測定器の残留ノイズと同等なので、ほぼノイズレスと言えるでしょう。この測定にはCISPR規格の、できればQP測定に対応したスペクトラムアナライザーとLISNが必要なので、オーディオの人たちはあまり測定をしていません。そのため、正しくない情報も結構見受けられます。100kHz〜100MHzと耳には直接聴こえない周波数ですが、音を汚す能力はしっかりと持っています。スイッチング式のACアダプターを取り去って、バッテリー動作の音とを比較すれば、スイッチングノイズは音を汚すことが理解できるでしょう。

 このようにスイッチング電源は当然ながら大きなノイズを出しますが、トランス式の電源であっても、ライン側へのノイズは整流ダイオードからのリカバリーノイズが出ます。フィデリックスでは1980年から、このリカバリーノイズの少ないショットキーバリアダイオードを使っており、一連の電源には全てこのローノイズなショットキーバリアダイオードを使っております。
 今回、ノートPC用にも使える電源を制作いたしましたが、高調波規格の関係で、公称は45Wになっておりますが、発熱の点では60W位までが使用可能です。入力電力が75Wを超えると高調波規格のクラスDに適合にさせなくてはなりませんので、新たな対策が必要になります。完全な安定化電源にすると、発熱の点で厳しくなりますので、リップルフィルタと安定化電源の中間的な動作の設計ですが、音質に敏感な高域ノイズには十分な配慮をしております。
 電源効率は良くできたスイッチング電源で約90%です。つまり50Wを入れると45Wが出力され、5W分が熱になります。ところがトランス式の効率は約60%なので、同じ45Wを出すには75Wを入れなくてはならず、発熱は30W分ということになります。同じ温度上昇を許すなら、単純計算でも表面積は約6倍、体積だと15倍ほどが必要になります。もしも19Vで2.3Aの電源を設計するならAC90Vで2.3A流しても19Vを出すような設計にします。すると入力がAC110Vになった場合に2.3A流した場合は大変な発熱になってしまいます。
 そこで入力電圧がAC90Vの場合は、17V位の電圧を出し、AC110Vになった場合は21V位の電圧になるような設計にすれば、発熱の点ではすごく楽になります。このような電圧変動することを不安に思う方がいらっしゃるかもしれませんが、ノートPCはそもそも電圧変動するバッテリーによる動作なので、広い電圧範囲で使える様にあらかじめ設計されています。さらに、内部には多くのレギュレーターがいっぱいあるので実質的には問題ないでしょう。しかし、110Vで負荷電流が少ない場合は、電圧が上昇し過ぎるので、これは電圧制限回路にてしっかり制限しています。因みに内部のスイッチング電源はほぼ非絶縁型で、ノイズ対策は絶縁型よりもずっと楽になるので、罪は軽いです。
 もうひとつは電流表示です。ノートPCに付属のスイッチング電源は殆どがフライバック型を使っていますので、過電流になればコアが飽和し、異常動作をします。そこで、飽和しないよう電流制限回路が設けられております。ワーストケースでもこれを超えない設計になっていますので、通常使用では結構大きなマージンがあるのが実態です。
 ところがトランス式の電源は、入力電圧がAC120Vになるような過電圧ではコアが飽和しても、過電流でコアは飽和しません。ですから短時間なら熱的に耐えることができますので、平均電流が定格を越えなければ大丈夫な設計になっております。そのため、2.3Aだと一見は電流容量が小さいかのように思われるかも知れませんが、実質的には16インチ以下のノートPCであればほとんどが使えると思います。
 実際にDynabook Qosmio T550(15.6インチ)とFMVNF40X(15.4インチ)の2機種で消費電流を計ってみました。起動時は3A近くまで流れますが、オーディオ動作で安定すると1.5A付近に落ち着くので、付属ACアダプターの定格電流の半分弱でした。
 なお、工業製品の価格というのは、生産量によって大きく異なります。少量生産で、かつ物量が必要なトランス式電源の価格は比較にならないほどに高くなってしまいました。それでも、良い音のためということになれば、致し方ないのかも知れません。
 電源のご使用に当たっては、電圧と電流とプラグ形状と極性が適合することを十分にご確認下さい。定格オーバーで使用するとハムやノイズが出たり壊れたりします。なお、ACコードやゴム足は付属していません。
 その他のバリエーションとして12Vの3.6Aがあり、16Vの2.7Aは予定中です。サイズは150W、85H、160DのATX形状の黒色で重量は約2kGです。口金形状についてはPCメーカーと型名をお知らせ下さい。いずれも税別\46,000です。MacBook、MacBook PRO、MacBook AirのMagSafe、MagSafe 2については税別\48,000で対応可能です。なお、WIN、MACともバッテリーは無くとも動き、ファンレスなので静音です。

 FIDELIX製ACアダプターの使用実績例
3.3V XMOS
5V  ElectArtのUDA、SDTrans384、babyface、DS-DAC-10、Dragonfly、CuBox
6V  Styleaudio
9V  highFace EVO、BusPower-Pro、QA550、JAVS X-DDC plus、UDT-1、DAC-2MARCH、DAC-2USB、izmo M1-z
12V  V-DAC、LXA-OT1、MR-1000、外付けSSD用外部電源
15V  アナログ機器
±15V MARK LEVINSONのJC-2プリアンプ用
その他 ミューシックバードのチューナー用
     アナログプレーヤー用
     headphoneAMP用

 電源単体では白の6W(税別\13,143)クラスと、黒と銀の12Wクラス(税別\26,477)と、黒の18Wクラス(税別\33,143)があり、電圧は3.3V、5V、6V、9V、12V、15V、24Vが標準ですが、その他の電圧や2出力もなるべくご要望には答えられるようにとは考えています。12Wクラスは色指定をお願い致します。いずれも口金形状、もしくは、使用したい機器名を教えていただければ適合できる可能性はあります。お問い合わせはメール、お電話、FAX、お葉書、その他何でも構いません。Mail:info@fidelix.jp Tel & Fax 042-493-7082 なお、上記の金額は全て税別送料込みで送金先 三井住友銀行清瀬支店普通口座3064084 有限会社フィデリックスです。では、よろしくお願い致します。(2014年3月11日)

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